【家庭菜園】さつまいも苗の土作りと植え付けを当日で!マルチ畝活用とコツ

「さつまいもを植えたいけど、土の準備が全くできていない…」「マルチシートは敷いてあるけど、中は何もない土のまま…」と、栽培準備が間に合わなかった方もご安心ください。さつまいもは非常に丈夫な作物ですが、適切なポイントを押さえれば、植え付け当日でも十分な準備をして、豊かな収穫を目指すことができます。今回は、特に土作りができていないマルチ畝でのさつまいも苗の植え付けについて、当日できる作業とコツをご紹介します。

土作り不足のマルチ畝、植え付け前に何が必要?

マルチシートをかけていても、その下の土が長期間何も施されていなかったり、昨年まで草ボーボーだったりすると、土壌の養分不足や固結が懸念されます。さつまいもは多肥を必要としませんが、痩せすぎた土壌では生育が悪く、イモの肥大も期待できません。

そこで、「ただ耕すだけ」ではなく、土を柔らかくし、必要な養分を補給する作業が重要になります。月に1〜2回しか畑に行けない場合でも、植え付け当日に以下の作業を行うことで、苗の活着と生育を助けることができます。

ステップ1:マルチシートを剥がし、土の状態を確認する

まずはマルチシートを剥がし、畝の土の様子を直接確認しましょう。表面だけでなく、少し掘り下げて、土の固さ、湿り具合、匂いなどをチェックします。土が固く締まっているようであれば、イモの生育に影響が出る可能性があります。

ステップ2:植え付け部分の土を徹底的に柔らかくする

畝全体を深く耕す時間がなくても、植え付ける株の真下の土は必ず柔らかくしましょう。スコップをしっかり入れて、植え穴となる部分を深く掘り起こし、土をフカフカにします。さつまいものイモは固い土では変形したり、十分に肥大しなかったりするため、この「柔らかい土のベッド」を用意することが非常に重要です。

ステップ3:有機物をピンポイントで補給する(最重要!)

土を柔らかくすると同時に、有機物の補給が、特にこれまで何も施していなかった土壌には不可欠です。さつまいものような栄養をたくさん蓄える作物が十分に育つには、土壌の地力が必要です。

おすすめは、完熟牛糞堆肥や腐葉土です。これらを植え付け穴に「一握り程度」混ぜ込むのが最適です。これは、特に購入したツル苗の葉が弱っているような場合に効果的です。株元に直接栄養と土壌改良効果を与えることで、弱った苗の初期の活着と生育を強力に助けます。また、肥料焼けやツルボケ(葉ばかり茂ってイモができない)のリスクを抑えつつ、効率的に栄養を供給できます。

※化学肥料は基本的に不要です。特に窒素肥料の与えすぎはツルボケの原因となるため避けましょう。

ステップ4:畝を整える

土を柔らかくし、有機物を混ぜ込んだら、高畝の形を維持しつつ、畝の表面を軽く整えます。これで、苗を植え付ける準備は完了です。

さつまいも苗の植え付け方と管理のコツ

植え付け前の「水揚げ」を忘れずに

苗を購入したら、すぐに植え付けができない場合や、苗がしおれている場合は、必ず「水揚げ」を行いましょう。ツル苗の切り口を水に浸けておくことで、苗が水を吸い上げ、元気を取り戻し、植え付け後の活着率が高まります。

イモがたくさん採れる「斜め植え」がおすすめ

さつまいもは、ツル苗の「節」から出る根が肥大してイモになります。家庭菜園でイモを多く収穫したいなら、「斜め植え(船底植え、V字植え)」がおすすめです。ツル苗の真ん中あたりを斜めに浅く埋め、両端の葉を地上に出します。この際、2〜3節以上をしっかりと土中に埋め込むことで、多くの節からイモが発生し、収量アップにつながります。

植え付け後の水やりとマルチ

植え付け直後は、苗が根付くためにたっぷりの水が必要です。根と土が密着するようにしっかりと水を与えましょう。

その後は、マルチシートを戻すか、枯れ草などを厚めに敷いて「草マルチ」にします。これにより、土壌の乾燥を防ぎ、地温を安定させ、雑草の発生も抑制できます。特に月に1〜2回しか畑に行けない方にとっては、この保湿効果が非常に重要になります。

まとめ

土作りが不十分だったマルチ畝でも、植え付け当日に適切な準備をすることで、美味しいさつまいもを収穫することは十分に可能です。特に、植え穴を柔らかくし、有機物を少量補給する「一手間」が、弱った苗の活着を助け、その後の生育を大きく左右します。

忙しい中でも、このポイントを押さえて、ぜひ今年のさつまいも栽培を成功させてくださいね!

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