ピーマンの苗を植えてしばらく経つと、最初の花「一番花」が咲き始めます。
ナスと同じように、実が小さいうちに取るべきなのか迷った方もいるかもしれません。
この記事では、ピーマンの一番花に対する考え方や、摘花の必要性、適切なタイミングについて解説します。
ピーマンとナスでは摘花の考え方が違う
《写真アドバイス:ピーマンの一番花が咲いている様子(おしべ・めしべが確認できる状態)》
ピーマンとナスは同じナス科の野菜ですが、一番花に対する扱いは異なります。
ナスの場合は、一番果を一度実らせたあと、小さなうちに収穫することで株の生育を促すという栽培法がよく知られています。
一方、ピーマンでは、一番花が咲いたらすぐに摘むのが基本です。実を付けさせる前に摘み取ることで、株が消耗するのを防ぎ、葉や枝の充実につながります。
もちろん、地域や栽培方針によっては初期の収穫を優先し、一番果を実らせる選択肢もあります。ただ、家庭菜園や有機的な管理を目指す場合は、株の体力を整えるためにも一番花は摘む方が無難です。
ピーマンの一番花を摘む理由とは?
《写真アドバイス:一番花が咲いたピーマン株全体の様子(まだ株が小さい段階)》
一番花を摘む主な理由は以下の3点です。
まずは株の生育を優先するためです。一番花に養分が集中すると、株全体の成長が鈍ってしまうため、あえて摘花して枝葉の充実を図ります。
次に、初期の収穫で株を疲れさせないことが重要です。まだ体力がないうちに実をつけると、その後の実付きや生育に影響が出ることもあります。
そしてもう一つは、株全体の草勢を安定させるという点です。不要な実をつけずに済むため、バランスの良い枝葉の展開が期待でき、結果的に長期間安定して収穫できるようになります。
摘花のベストなタイミングと方法
《写真アドバイス:花びらが開いた一番花を指で摘み取ろうとしている様子》
一番花は、花が完全に開いたら、できるだけ早く摘むのが基本です。
花びらが開ききって、中央におしべやめしべが見えるようになったら摘花の合図です。手で優しくつまんで摘み取るか、小さな園芸ばさみで茎元から切り取るようにしましょう。
摘む際は、周囲の葉や芽を傷つけないよう慎重に行います。また、摘んだあとは株の変化を数日観察し、葉色や枝の伸び方をチェックしておくと、次回の手入れの参考になります。
一番花を摘んだあとは、枝葉の生長が一気に進み始めるため、追肥や支柱立ての準備も視野に入れておきましょう。
まとめ|摘花で株を整え、収穫を安定させよう
ピーマンの一番花は、ナスと違って咲いたらすぐに摘むのが基本です。理由は、株の体力を果実に使わせず、まずは葉や枝をしっかりと育てることにあります。
一番花を摘むことで、後から出てくる側枝の展開も良くなり、結果的に収穫できる実の数や質にも差が出てきます。
家庭菜園でも、少しの手間で栽培が安定しやすくなるのが摘花の利点です。花が咲いたら株全体の状態を見て、最適なタイミングで作業を行いましょう。
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