ピーマンは比較的長期間にわたって実をつける夏野菜のひとつです。そのため、栽培初期にしっかりと肥料管理をしておくことで、後々の実つきや株の健康状態に大きな差が出てきます。
特に、最初の追肥のタイミングを見誤ると、生育が鈍ったり、逆に葉ばかり茂って実がならなかったりといった失敗につながることも。この記事では、ピーマンの追肥タイミングを見極める方法と、肥料不足・過多のサインについて解説します。
最初の追肥はいつ?目安と理由を解説
《写真アドバイス:一番花が咲き終わり、小さな実が付き始めたピーマン株》
ピーマンの最初の追肥は、一番花が咲き終わり、小さな実がつき始めた頃が基本的な目安です。これは、ピーマンが本格的に実を肥大させ始める時期であり、株全体が多くの養分を必要とする段階だからです。
定植から2~3週間が経過し、草丈が伸びてきた頃、元肥の効果も薄れはじめます。このタイミングで追肥を行うことで、実の肥大を助け、株の勢いを保ちやすくなります。
追肥後の管理ポイント
《写真アドバイス:畝肩に施肥した様子や、株の根元の状態》
追肥をしたあとは、以下の点を意識して管理を続けましょう。
・追肥は2~3週間に1回のペースで、株の生育を見ながら量を調整します。
・肥料は畝肩(株から20〜25cmほど離れた位置)に施し、軽く土に混ぜてから水やりすると吸収が早まります。
・乾燥が続くと肥料の効きが遅れるため、雨が降らない日が続いた場合は畝間に水をまくのも効果的です。
・同時に、わき芽や混み合った枝の整理(芽かき)も忘れずに行いましょう。風通しを良くすることは病害虫予防にもつながります。
肥料不足のサインとは?
《写真アドバイス:葉の色が薄く、元気のないピーマンの株》
追肥の判断材料として、肥料不足の兆候を見逃さないことが大切です。以下のような症状が見られたら、すぐに対応しましょう。
・葉の色が薄く、黄色っぽくなる
・生育が遅く、茎や葉が細くなる
・花が咲きにくい、咲いても落ちる
・実がなかなか大きくならない
・下葉が黄色くなって枯れ始める(窒素不足の典型)
特に、下葉の変色や実の付きが悪いと感じたら、即追肥を検討するタイミングといえます。
肥料過多のサインにも要注意
《写真アドバイス:濃い緑色の葉と、丸まったり垂れ下がったりしている葉》
一方で、肥料を与えすぎると「肥料過多」の状態になり、逆に生育不良や実つきの悪さにつながることもあります。
・葉が濃い緑色になり、肉厚で不自然な大きさになる
・葉が内側に巻いたり、垂れ下がったりする
・茎が太く硬くなる
・花が咲かない、あるいは咲いても実がつかない
・葉の縁が茶色く枯れたようになる(肥料焼けの兆候)
これらの症状が出た場合は、いったん追肥を控え、様子を見ながら調整する必要があります。
追肥タイミングを見極めるための観察ポイント
《写真アドバイス:正常な株と比較するための、健康な葉のアップ写真》
追肥のタイミングを見極めるには、日々の観察が欠かせません。次のような点を意識するとよいでしょう。
・葉の色や質感(薄い?濃すぎる?)
・茎の太さや硬さ
・株の全体的な勢い(葉が上を向いているか、しおれていないか)
・花や実のつき方、実の肥大状況
これらを総合的に見て判断すれば、「今が追肥のタイミングか?」という疑問にも答えが見つかります。
まとめ|適切な追肥でピーマンの実つきを良くしよう
ピーマン栽培において、最初の追肥のタイミングは非常に重要です。一番花が咲き、小さな実がつき始めた時期を見逃さずに、適切な量と場所に追肥を行うことで、実の肥大を助け、健康な株を維持できます。
また、葉の色や生育の様子から、肥料の過不足を見極めて対応することが大切です。観察を続けることで、あなたの畑のピーマンも、実り豊かなものになっていくはずです。
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