ピーマンの栽培において「3本仕立て」は最もポピュラーな育て方の一つです。主枝と勢いの良い側枝を2本選んで、合計3本の枝を骨格として育てていく方法で、収穫量を安定させたい家庭菜園に特に向いています。
今回は、この3本仕立ての基本的なやり方と、整枝のタイミングや注意点を初心者向けにわかりやすく解説します。
3本仕立ての基本的な考え方
《写真アドバイス:ピーマンの主枝と側枝を選別した状態の株》
3本仕立てとは、ピーマンの最初に伸びてくる太く勢いのある主枝を1本選び、その後に発生するわき芽から良いものを2本残して育てる方法です。
まず一番花が咲く頃には、株がある程度の大きさになっています。この一番花は、生育を優先させるため開花後すぐに摘むのが基本です。これにより、栄養が枝や葉の生長に集中します。
主枝のすぐ下やすぐ上から出てくるわき芽の中に、勢いの良いものが見つかります。それを2本選んで側枝とし、主枝と合わせて3本の枝を育てていきましょう。
選ばなかったわき芽は、小さいうちに取り除きます。これにより株の中が混み合わず、風通しと日当たりが確保されます。
整枝のポイントと注意点
《写真アドバイス:整枝前と整枝後の比較(株元がスッキリした様子)》
整枝の目的は、株の内部に十分な光と風を通すことと、栄養の無駄な分散を防ぐことにあります。
整枝ではまず一番花下のわき芽を早めに摘みます。ここから出てくるわき芽は伸びる勢いが強く、放っておくと主枝と競合してしまいます。
次に、選んだ3本以外のわき芽も定期的に確認して取り除きます。特に株の内側に向かって伸びる枝や、黄色くなった古い葉は病気の温床になるため、早めに処理することが重要です。
また、雨の多い時期には過湿による病害を防ぐため、株元の通気性を確保するようにしましょう。
仕立てに必要な支柱と誘引のやり方
《写真アドバイス:3本の枝にそれぞれ支柱を立て、誘引している様子》
3本仕立てを成功させるには、支柱と誘引作業が不可欠です。
主枝と2本の側枝が伸びてきたら、それぞれに支柱を立てて紐で優しく誘引してあげます。3方向に軽く広げるように仕立てることで、風通しと日当たりが確保され、病気の予防にもつながります。
誘引には麻ひもや園芸用のソフトワイヤーを使い、枝に傷がつかないように結び方を工夫しましょう。
その他の仕立て方(1本仕立て・放任栽培)との比較
《写真アドバイス:1本仕立てと放任栽培の全体像比較(可能なら)》
ピーマンの仕立て方には他にも「1本仕立て」や「放任栽培」があります。
1本仕立ては主枝だけを育て、わき芽をすべて摘み取る方法。株の管理が簡単で省スペース向きですが、収穫量はやや少なめです。
放任栽培は自然に枝を伸ばす方法で手間はかかりませんが、株が茂りすぎて風通しや日当たりが悪くなり、病害虫のリスクが高くなります。
その点、3本仕立ては管理と収穫量のバランスが良く、家庭菜園には最も適した方法だといえます。
まとめ|ピーマンは仕立て方で収穫量が変わる
ピーマンの3本仕立ては、株の形を整えながら収穫量を安定させるための理想的な方法です。
ポイントは、一番花の摘花、わき芽の早期除去、そして支柱と誘引による形作りです。最初は少し手間がかかりますが、一度仕組みを覚えれば毎年の栽培に活かすことができます。
ピーマンの整枝や仕立て方は、育てる環境やスペースにもよりますが、基本を押さえておくと応用も効くようになります。ぜひ、今年の栽培に3本仕立てを取り入れてみてください。
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