日差しが安定してくる5月は、オクラの定植にも最適な時期です。オクラは暑さに強く、比較的栽培しやすい夏野菜ですが、定植のタイミングや植え方、初期の管理によってその後の生育や収穫に大きな差が出ます。
この記事では、オクラ苗の定植に適したタイミング、購入苗の選び方と定植の手順、最初の追肥の目安についてわかりやすく解説します。
オクラの定植はいつが適期?
《写真:本葉3~4枚の健康なオクラ苗》
オクラは高温を好む野菜で、最低気温が15℃を下回らなくなってからが定植の適期です。広島県などの暖地では、5月初旬から6月頃までが最適なタイミングです。
早植えをしたい場合は、防寒対策として行灯仕立てや不織布を使った保温を行う必要があります。露地で植える場合は、朝晩の冷え込みが落ち着いてからが安心です。
苗の選び方としては、以下のポイントを参考にしましょう。
- 本葉が3〜4枚程度展開している
- 双葉がしっかり残っている
- 徒長しておらず、茎が太くがっしりしている
- 葉の色が濃く、病害虫の痕跡がない
あまり大きく育ちすぎた苗は根付きにくいため、ほどよいサイズの若苗を選ぶのがポイントです。
購入苗を定植するときの手順とポイント
《写真:マルチを張った畝に苗を定植している様子》
オクラは乾燥に強い反面、水はけの悪い場所では根腐れを起こしやすくなります。そのため、定植前に畑の水はけを確認し、必要であれば土壌改良をしておきましょう。
畑の準備
定植の2週間前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前に堆肥と元肥(鶏ふんやぼかし肥料など)を入れて再度耕します。畝幅は70cm程度とし、必要に応じてマルチを張ると地温を保ちやすく乾燥も防げます。
定植の方法
- 株間は25cm程度とし、1箇所に2~3株を密植して植えます。密植することで、養分の取り合いによりバランスよく生長し、実も硬くなりにくくなります。
- 苗は根鉢を崩さずにそっと植え、深植えにならないように注意します。
- 植え穴にたっぷりと水を注ぎ、苗の周りに細かい土を寄せてしっかりと密着させます。
定植後の管理と最初の追肥のタイミング
《写真:草丈40cm程度に育ったオクラと追肥の様子》
オクラの定植後の管理は、活着を助けつつ、風や乾燥から苗を守ることが大切です。
- 水やり:定植直後はしっかりと水を与え、その後は乾燥気味に管理します。
- 支柱立て:6月に入って草丈が伸びてきたら、風対策として支柱を立てておきましょう。
- 葉かき:草丈が40~50cmになったら、株元の下葉を摘み取って風通しを良くします。
- 病害虫観察:梅雨に入る前からアブラムシやカメムシなどの害虫がつきやすくなるため、定期的に葉裏をチェックします。
最初の追肥タイミング
最初の追肥は、定植後およそ1ヶ月後を目安に行います。実がつき始めたタイミングが追肥の好機です。
- 肥料は化成肥料や鶏ふんなどを使い、畝の肩に少し離して施します。
- 以後、2週間に1回程度を目安に追肥を繰り返し、収穫期まで株の勢いを維持します。
追肥後はしっかりと水やりを行い、肥料分が根に浸透するようにしましょう。
まとめ|オクラの定植は気温と苗の状態を見極めて
オクラの定植は、最低気温が安定する5月初旬~6月が適期です。健康な苗を選び、密植と水はけに配慮した畑づくりが生長のカギになります。
定植後は風対策・水管理・追肥タイミングを見極めて、元気な株を育てていきましょう。実がつき始める頃には収穫も見えてきます。夏に向けて、毎日の生長が楽しみになる野菜です。
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