![茶色く乾いたスナップエンドウのサヤと、そら豆の黒ずんだサヤの写真がおすすめです]
スナップエンドウやグリーンピース、そら豆といったマメ科野菜は、育てやすく収穫も楽しい人気の作物です。実は、これらは自家採種(種取り)にも適した野菜で、家庭菜園でも無理なく種をつないでいくことができます。
この記事では、自家採種が初めての方にもわかりやすく、マメ科野菜の採種タイミング、乾燥・保存方法までを詳しく解説します。
採種はいつ?見極めポイントと収穫のタイミング
採種用の株は、他の株よりも早めに見極め、完熟するまで収穫せずにそのまま残しておくのが基本です。
- スナップエンドウ/グリーンピース:サヤが茶色く変色し、カラカラと音がするくらい乾燥したら収穫。ツルや葉も枯れている状態が目安です。
- そら豆:サヤが黒ずんでシワシワになり、中の豆も硬く乾燥した頃が収穫時。梅雨が迫る時期なので、雨前の収穫と追乾燥が重要です。
これらの状態になるまで放っておくことが、自家採種成功の第一歩です。
収穫後の乾燥と脱粒:じっくり時間をかけよう
完熟したサヤを収穫したら、いきなり脱粒せず、まずは陰干しでしっかり追乾燥します。新聞紙やざるの上に広げ、直射日光は避けて風通しの良い場所で1〜2週間。
その後、手でサヤを割り、豆を取り出します。歯でかんでも割れないくらいの硬さになっていれば、乾燥は十分。万が一まだ柔らかければ、さらに数日乾かしましょう。
保管方法:湿気と高温を避けるのが鉄則
しっかり乾燥させた種子は、紙袋やチャック付き袋に入れ、乾燥剤と一緒に冷暗所で保管します。野菜室などの涼しい場所が最適です。
保存期間の目安は以下の通り:
- スナップエンドウ/グリーンピース:2〜3年
- そら豆:1〜2年(年を越すと発芽率が低下しやすい)
保管容器には採種年・品種名・採種した畑の情報などを記載しておくと、次年度の育成比較にも役立ちます。
交雑の心配は?
- スナップエンドウやグリーンピースは基本的に自家受粉するため、家庭菜園規模なら交雑の心配はほとんどありません。
- そら豆はやや交雑しやすいですが、1品種だけを栽培する分には大きな問題にはなりにくいです。複数品種を育てる場合は距離をとるか袋がけをすると安心です。
トラブル対策:虫害とカビに注意!
採種用の豆にも虫が入ることがあります。小さな穴が開いていたり、軽かったりする豆は発芽不良の原因になるため、取り除いてください。
また、乾燥が不十分なまま密閉保存するとカビの原因になります。乾燥は徹底的に行うのがコツです。
まとめ:マメ科の種採りは初心者向き。まずは1種類から
家庭菜園の中でも、マメ科野菜は比較的自家採種しやすい作物です。栽培と同様、シンプルな作業で自然の循環を実感できるのが最大の魅力です。
ぜひ今シーズンは、1品種だけでも採種に挑戦してみてください。数年繰り返せば、その土地に合った“わが家の豆”が育っていくはずです。
コメント