きゅうりを元気に育て、美味しい実をたくさん収穫するためには、日々の手入れが欠かせません。中でも「芽かき」は、株の養分の流れを整え、安定した生育と収穫を導く大切な作業です。
さらに、初期収穫を促すテクニックとして知られる「脇芽一果どり」も、家庭菜園ではよく用いられています。
この記事では、きゅうりの芽かきの目安と方法、そして脇芽一果どりの目的ややり方について、初心者にもわかりやすく解説します。
きゅうりの芽かきが必要な理由
《写真アドバイス:小さなわき芽が出始めた葉の付け根のアップ》
芽かきとは、葉の付け根から出てくる「わき芽」を摘み取る作業です。わき芽を放置すると株が茂りすぎてしまい、風通しが悪くなるだけでなく、栄養が分散して主枝の成長や実の付きが悪くなってしまいます。
適切なタイミングで芽かきを行うことで、株全体に栄養を集中させ、効率よく育てることができます。
一本仕立てにおける芽かきの目安とやり方
《写真アドバイス:主枝1本で育てているきゅうり株》
一本仕立ては、主枝を1本だけ伸ばして育てる最も基本的な仕立て方です。
この方法では、すべてのわき芽を早いうちに摘み取るのが基本です。わき芽は葉の付け根から小さく出てくるので、長さが5cm以内、指で軽く折れるサイズのうちに摘み取るのが理想です。
放置すると急速に伸びてしまい、主枝の成長を妨げます。週に1~2回は株をチェックして、こまめに芽かきを続けましょう。
三本仕立ての芽かきと整枝のポイント
《写真アドバイス:主枝+側枝2本で誘引されている様子》
三本仕立てでは、主枝1本と、わき芽から伸ばした側枝2本を育てていく方法です。
この場合、地際から5節目までのわき芽はすべて摘み取ります。6節目以降から出てくるわき芽のうち、勢いのあるものを2本選び、残りは摘み取ってください。
選んだ2本は、主枝と同じように支柱に誘引して育てていきます。伸びた側枝からさらにわき芽が出ることもありますが、風通しや日当たりが悪くならないよう、必要に応じて整枝・摘心しましょう。
脇芽一果どりとは?その目的とやり方
《写真アドバイス:わき芽にできた小さな実を収穫する様子》
脇芽一果どりは、通常は摘み取るわき芽を1果だけ収穫してから摘み取る栽培方法です。
主な目的は以下の通りです:
- 初期収穫を得る:株がまだ小さいうちでも、早めに収穫を始められます。
- 株の負担を軽減:1果だけにとどめることで、主枝や他の部分への影響を最小限に抑えます。
- 生育促進:初期に少し収穫をすることで、全体の生長に刺激を与える場合があります。
やり方:
- 地際から数節までは通常どおりわき芽をすべて摘み取ります。
- その上のわき芽から、元気なものを1~2本選び、最初の実がついたところで収穫します。
- 実を収穫したら、そのわき芽は摘み取ります。
- 主枝はそのまま伸ばして通常の管理を続けます。
脇芽一果どりを行う際の注意点
《写真アドバイス:小さな実がついたわき芽と、摘み取ったあとの様子》
脇芽一果どりは便利な方法ですが、実を複数つけてしまうと株が疲れてしまいます。欲張らず、「1本のわき芽につき1果だけ収穫して摘み取る」のが基本です。
また、主枝の成長があまりにも弱いときは、わき芽一果どりは控えた方が良い場合もあります。株の生育状況を見ながら、無理のない範囲で取り入れるようにしましょう。
まとめ|株の育ちを見て適切に芽かきを
《写真アドバイス:整枝されて元気に育つきゅうり株》
きゅうりの芽かきは、栽培の成果を左右する大切な作業です。一本仕立て・三本仕立て、それぞれの方法に合った芽かきをこまめに行い、元気な株に育てましょう。
また、脇芽一果どりというテクニックを上手に取り入れれば、収穫時期の幅も広がり、家庭菜園がさらに楽しくなるはずです。
自分の畑の環境や栽培スペースに合わせて、無理のない管理方法を見つけてください。
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