春から夏にかけて人気の家庭菜園野菜「きゅうり」。特に省スペースでの栽培におすすめなのが「一本仕立て」です。主枝1本をまっすぐ支柱に誘引して育てるこの方法は、管理もシンプルで初心者にもぴったりです。
一本仕立てとは？省スペースで効率よく育てる基本の方法
《写真アドバイス：支柱に1本だけ主枝が誘引された若いきゅうり苗》
一本仕立てとは、きゅうりの主枝を1本だけ残してまっすぐ伸ばし、わき芽はすべて摘み取って育てる方法です。広い面積を必要とせず、ベランダや小さな畑でもしっかり収穫が見込めるのが特長です。
また、わき芽を取ることで風通しが良くなり、病気の予防にもつながります。
きゅうりの定植と初期の管理ポイント
《写真アドバイス：本葉3〜4枚のきゅうり苗と植え穴を掘った様子》
植え付け時期は、広島県府中市を例にすると、4月下旬から5月中旬が適期です。地温が13℃以上、気温が安定してきた頃がベストです。
苗は本葉が3～4枚ついた健康なものを選び、株間は40～50cm程度を目安に植えます。定植後はたっぷりと水を与えましょう。
夜間の冷え込みがある場合は、アンドン（行灯）仕立てを。半透明のゴミ袋などで簡易温室をつくると、活着がスムーズになります。
支柱立てと誘引のコツ
《写真アドバイス：支柱に結ばれた主枝と誘引用の麻ひも》
つるがアンドンを超えたタイミングで、1.8～2m程度の支柱を1本立てます。株元から少し離れた位置にしっかり差し込み、倒れないように固定してください。
主枝が伸び始めたら、麻ひもや園芸用テープで支柱に優しく誘引します。きゅうりは生長が早いので、週に1～2回は誘引を見直すのが理想です。
わき芽の摘み取りと摘心のタイミング
《写真アドバイス：主枝の葉の付け根から出る小さなわき芽を指で摘み取る場面》
主枝から出てくるわき芽は、小さいうちにすべて取り除きましょう。放置すると栄養が分散し、主枝の実付きや生育が悪くなります。
主枝が支柱の先端まで届いたら、摘心（生長点の切り取り）を行います。これにより、それ以上背が高くならず、実への養分集中が可能になります。栽培スペースや支柱の長さに応じて、高さを調整してください。
一本仕立てで気をつけたいこと
《写真アドバイス：風通しがよく、葉が整理された健康なきゅうりの株》
一本仕立ては省スペースで効率よく育てられる反面、収穫できる期間がやや短めになる傾向があります。収穫を長く楽しみたい場合は、次の植え替えや予備苗の準備をおすすめします。
また、主枝が1本しかない分、風や重みに弱くなりがちです。しっかりと誘引し、必要に応じて補助の支柱を追加すると安心です。
まとめ｜省スペースでもしっかり育つ！一本仕立ての魅力
《写真アドバイス：1本仕立てできれいに伸びたきゅうりと実が付き始めた様子》
一本仕立ては、限られた畑や家庭菜園のスペースでも、きゅうりを効率よく育てられる方法です。定植から支柱立て、誘引、わき芽かき、摘心まで一連の流れを覚えれば、次の栽培にもきっと活かせるはず。
コンパクトでも元気に育つきゅうりの姿は、見た目にも楽しく、収穫の喜びもひとしお。ぜひ一本仕立ての基本をおさえて、充実したきゅうり栽培をスタートしてみてください。
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