スナップエンドウ・グリーンピースが不作だった理由と来年の対策まとめ

![乾燥気味で花が少なかったスナップエンドウの株や、つるだけが伸びたグリーンピースの様子の写真が適しています]

春の家庭菜園で楽しみにしていたスナップエンドウやグリーンピース。例年に比べて花数が少なく、収量も物足りない結果に終わったという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、実際に無施肥で栽培したにもかかわらず前年はうまくいったのに、今年はなぜ不調だったのかを振り返りながら、来年に向けた改善ポイントを整理します。

今年の特徴:長引く寒さと急な春の訪れ

2025年は全国的に寒さが長引き、3月までは気温の低い日が続きました。そして4月に入って一気に春本番となった影響で、エンドウ類にとっては気候のギャップが大きく、花芽の形成や着花に支障が出やすい条件となっていました。

エンドウ類は冬越しした後、日照と気温の上昇に合わせて花をつけます。しかしこの移行期に気温が低すぎると、つるだけが伸びて花がつかない“つるぼけ”状態になりやすく、収量が伸び悩むことがあります。

原因1:寒さによる根の働きの低下

無施肥栽培が前年はうまくいっていたとしても、低温期には土中の栄養分が十分に吸収されにくくなる傾向があります。特にリン酸やカルシウムなど、花芽形成に関わる成分の不足は花数の少なさにつながります。

土壌そのものの肥沃度がある程度保たれていても、**気温が低いと根の吸収活動が鈍くなり、栄養が“あるのに使えない”**状態に陥ることがあるのです。

原因2:保温対策の不足

厳寒期にトンネルやべたがけなどの保温資材を用いなかった場合、夜間の地温が著しく低下し、生育が停滞してしまうことがあります。とくに1〜2月の冷え込みが強い地域では、保温なしでの越冬は春の立ち上がりに大きな影響を及ぼします。

来年に向けた改善ポイント

不織布トンネルの活用

最もシンプルで効果的な対策は、冬の間の不織布トンネル設置です。日中は開けて、夜間は閉じるだけでも地温が1〜2℃高く保たれます。さらに敷き草を併用すれば、根圏の環境が安定し、初期成育の助けになります。

3月の軽い追肥(液肥やぼかし)

無施肥栽培を基本にしていても、春先に軽く自然素材の液肥(米ぬか液や発酵ぼかし液)を与えることで、冷え込み期の根の活動をサポートできます。 「栄養を足す」というより、「起きかけの根に目覚ましをかける」イメージです。

株間・風通しの調整

春が急に暖かくなると、つるや葉が一気に茂って蒸れやすくなります。来季は株間をやや広め(30〜35cm)にとり、通風と採光を確保することで、花芽形成のストレスを軽減しましょう。

おわりに:自然相手だからこそ、少しの配慮で結果が変わる

今年のような「寒さが長く、春が一気に来た年」は、無施肥・自然任せの栽培にとって難しい条件が重なりました。とはいえ、来年に向けては以下のポイントを少し意識するだけで改善が期待できます:

  • 不織布で冬の保温
  • 春の軽い後押し(液肥や敷き草)
  • 株間と光・風の確保

栽培方法は変えずとも、その年の気象変動に対して“少しの対応”を加えることが、収量の安定につながります。来年はもう少し豊かな収穫が期待できるはずです。

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