雄穂が開き始めたとうもろこしの先端](雄穂が確認できる株の写真が適切
家庭菜園でトウモロコシを育てるとき、人工受粉はとても重要な作業です。自然環境に任せていてもある程度は実がつきますが、風や虫の動きに左右され、受粉率にばらつきが出やすくなります。
人工的に花粉を雌花に届けることで、実入りのよい、甘くて大きなとうもろこしに仕上げることができます。
人工受粉のタイミングは「雄穂と雌穂」に注目
[絹糸(雌花)が出始めた様子](雌穂のヒゲが出ているアップ写真
人工受粉を行うベストタイミングは、雄穂が開花して花粉が出始める頃から、雌穂のヒゲ(絹糸)が出始めたときです。
- 雄穂(ゆうすい): 株のてっぺんにできる花で、ここから花粉が出ます。
- 雌穂(しすい): 葉の付け根から出る花で、絹糸の1本1本がトウモロコシの粒とつながっています。
絹糸が出て、うっすら茶色っぽく色づき始めたら、受粉の準備が整ったサインです。
二回目の追肥から何日後が目安?
[草丈50〜60cm、雄穂が出た頃のとうもろこし](背丈と穂が分かる全景写真
2回目の追肥(雄穂が出始めた頃)から、だいたい3〜7日後が人工受粉の適期です。
- 雄穂の開花とともに、徐々に雌穂のヒゲが伸びてきます。
- 雄穂が出てから1週間程度で、雌穂が受粉可能な状態になります。
人工受粉の目安となる全体のスケジュールは以下の通りです:
- 種まきから約6~8週目 → 雄穂が出始める
- 雄穂の開花から3~7日 → 雌穂のヒゲが出て受粉適期
花粉が出たらチャンス!人工受粉の具体的なやり方
雄穂から花粉を採っている手元
人工受粉は晴れた日の午前中に行うのが理想です。以下の手順で作業を進めましょう。
- 雄穂を観察し、黄色くなった葯(やく)から花粉が落ちる状態であることを確認します。
- 雄穂をハサミで切り取る、または紙皿などで花粉を受け取ります。
- 雌穂のヒゲ(絹糸)に花粉をふりかけるようにやさしく全体にまんべんなくかけます。
- これを数日間、2〜3回繰り返すと、受粉精度が高まります。
特に家庭菜園では株間が広いため、風による自然受粉が不十分になりがちです。人工受粉でしっかりサポートしてあげましょう。
受粉成功のポイントと注意点
受粉後の雌穂の状態
人工受粉を成功させるために、以下の点に注意しましょう。
- 花粉は朝のうちに最も多く放出されます。午前9時ごろまでに作業を終えるのが理想です。
- ヒゲ全体に花粉をかけることが重要です。ヒゲ1本1本が実1粒に対応しています。
- 乾燥や雨を避けるようにし、受粉直後に強風や降雨が予想される場合はタイミングを調整します。
まとめ|人工受粉で実入りのよい甘いとうもろこしを!
人工受粉は、トウモロコシ栽培の収穫量と品質を大きく左右する重要な工程です。
- 雄穂が咲いてから3〜7日後の雌穂のヒゲが伸び始めた時期に、
- 午前中の晴れた時間を選び、
- 花粉をしっかり雌穂に届けてあげることが成功のカギ。
手間はかかりますが、ひと手間加えることで美味しいとうもろこしがぐっと近づきます。ぜひ実践してみてください。
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