30年目の桃の木、今年こそ実りある収穫を目指して
広島県府中市の自宅にある桃の木。樹齢はなんと30年以上になります。今年は2月に鶏糞を与えたところ、春に花が咲き、小さな実が多数つきました。
このまま順調に育てば、数年ぶりに本格的な収穫ができるかもしれません。そこで、5月以降の管理作業を整理し、収穫に向けてどんな手入れが必要かをまとめました。
現在の状態と育成の背景(5月時点)
《写真アドバイス:小さな実が多数ついた桃の木の全景》
5月上旬、花はすでに終わり、小さな緑色の実がびっしりと枝に連なっています。特に剪定などはしていませんが、木は低木で手入れもしやすい状態です。
2月に与えた鶏糞の効果もあってか、今年は例年以上に着果が多く、期待が高まります。これからの作業次第で、果実の質と収穫量が大きく左右されることになります。
生理落果と適切な摘果の考え方
《写真アドバイス:実が密集してついている枝先の写真》
5月〜6月は、生理落果と呼ばれる自然淘汰の時期です。木が自ら実の数を調整するため、一部の果実が自然に落ちる現象が見られます。
この時期は、無理に実を減らす必要はありませんが、あまりに密集している場合や明らかに形の悪い実は、手作業で取り除いても問題ありません。
目安としては、葉20〜30枚に対して1個程度の割合が理想とされています。
梅雨時期は病害虫対策を強化
《写真アドバイス:葉の裏や実の表面を観察している手元の写真》
梅雨に入ると、湿気の影響で病害虫のリスクが急激に高まります。灰星病や黒星病、アブラムシ、シンクイムシなどが代表的です。
実が肥大する前から、定期的に葉裏や枝の先を観察し、必要に応じて薬剤を使う準備をしておきましょう。
実が大きくなってきたら、袋かけを行うことで病害虫予防に加え、日焼けや風害からも守ることができます。
摘果で果実の質を整える(6月〜7月)
《写真アドバイス:摘果前と後の枝の比較写真》
生理落果が終わった6月中旬〜7月初旬は、最終的な摘果作業を行うタイミングです。
果実同士の間隔は15〜20cmを目安にし、以下の実は取り除きましょう。
- 傷があるもの
- 内向きや下向きの実
- 明らかに形が悪いもの
特に低木の場合、多少間隔が狭くても大丈夫ですが、風通しと日当たりを意識して調整します。
水やりと乾燥対策のポイント(梅雨明け以降)
《写真アドバイス:乾燥した土と、水やり中の桃の木の株元》
梅雨明け後、日照りが続くようなら適度に水やりを行いましょう。特に実の肥大期と収穫前の時期は、水分が不足すると実が硬くなったり、割れたりする原因になります。
ただし、水のやりすぎも禁物。常に土が湿った状態になると根腐れや病気のリスクがあるため、土の表面が乾いてから水を与えるのが基本です。
収穫の見極め方とタイミング(7月〜9月)
《写真アドバイス:色づいてきた実を手に持って確認する様子》
収穫の時期は品種によって異なりますが、府中市のような暖地では7月下旬〜8月にかけてがピークとなります。
収穫の目安は以下の通りです。
- 果実の色が品種特有の色に変化
- 香りが甘くなってくる
- 軽く握って少し弾力を感じる
完熟を待ちすぎると落果する可能性もあるため、見極めが大切です。
収穫後の追肥で来年の実りへ
《写真アドバイス:収穫後に施肥している株元の写真》
収穫が終わったら、そのまま放置せず「お礼肥」として追肥を行いましょう。
これは、樹の体力を回復させ、翌年の花芽をしっかりつけるための大切な作業です。
緩効性の有機肥料や化成肥料を株元に適量施し、土に軽く混ぜ込んでおきます。
低木ならではの管理のしやすさと注意点
《写真アドバイス:低木ならではの袋かけや摘果作業の様子》
低木の桃の木は、手が届きやすく、袋かけや摘果がしやすいという大きな利点があります。
その反面、枝が混み合いやすいため、剪定や摘果で風通しを確保し、病害虫の発生を抑える工夫が必要です。
まとめ|観察と手入れが30年桃の実りを支える
《写真アドバイス:育った桃を手に収穫している瞬間》
30年以上育ち続けてきた桃の木。今年は特に期待できそうです。
芽吹きから実りまで、ひとつひとつの作業を丁寧に行うことで、収穫の喜びも倍増します。
長年の付き合いとなる果樹だからこそ、毎年の変化を観察しながら、手間を惜しまずに見守っていきたいですね。
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