ピーマンの苗を畑に植え付けてしばらくすると、あちこちから新しい芽が伸びてきます。
その中には残すべき芽と、取り除いた方がよい芽があるのをご存知でしょうか?
この記事では、ピーマンの芽かき作業の意味やタイミング、具体的な手順について紹介します。
なぜピーマンに芽かきが必要なのか
《写真アドバイス:ピーマン株の込み合った芽の状態(作業前)》
ピーマンの芽かきは、収穫量と株の健康を保つために欠かせない作業です。
主な目的は次の3つです。
1つ目は風通しと日当たりの確保です。込み合った芽を取り除くことで、株内部の空気が流れやすくなり、病気の発生リスクが抑えられます。また光合成の効率も上がります。
2つ目は養分の集中です。不要な枝に養分が分散されるのを防ぎ、残した実に栄養がしっかり行き渡るようになります。
そして3つ目は株の形を整えることです。支柱への誘引もしやすくなり、管理や収穫の作業がぐっと楽になります。
芽かきのタイミングはいつ?
《写真アドバイス:一番花の下から伸びるわき芽(小さいうちの状態)》
芽かきは、ピーマンの生長段階によって行う内容が変わります。時期ごとに目的を意識して作業するのがポイントです。
活着直後の芽かき
定植して根が張った頃(1〜2週間後)、最初に行う芽かきが一番重要です。一番花のすぐ下から出る脇芽は、放っておくと主枝と同じように育ち、株の形が乱れてしまいます。小さいうちに手で取り除きましょう。
生育初期〜中期の芽かき
主枝が伸びてくると、側枝もどんどん増えてきます。基本的には3〜4本の主枝を残して仕立てることが多いため、それ以外の脇芽は早めに摘み取ります。
また、重なり合った葉や株元の込み合った小枝も整理し、風通しを良くしておきましょう。
生育後期の整理
株が茂りすぎると、内側の枝に日が当たらなくなったり、病気が発生しやすくなったりします。特に実がついていない下葉や混み合った枝は整理しておきたいところです。ただし、光合成に必要な葉を取りすぎると逆効果になるため、バランスを見ながら慎重に。
芽かきの作業手順とポイント
《写真アドバイス:芽かき前後の比較(Before/After)》
芽かき作業自体は難しくありませんが、適切な方法で行うことが大切です。
まずは株全体をよく観察し、どの芽を残してどれを取るかを判断します。特に一番花の下のわき芽は成長が早く、早期に対応しておくべき芽の代表格です。
小さな芽であれば、指でつまんで軽く折るように摘み取るのが基本です。大きくなってしまった枝は、無理に引っ張らず、剪定ばさみで丁寧に切り取りましょう。
剪定後の切り口が大きい場合や、病気が気になるときは、癒合剤を塗って保護しておくと安心です。
芽は次々と出てくるため、週に1〜2回の頻度でこまめにチェックするのが理想です。芽が小さいうちに取り除けば、株へのダメージも最小限で済みます。
まとめ|こまめな芽かきでピーマンを元気に育てよう
ピーマンの芽かきは、ただ見た目を整えるための作業ではありません。風通しや日当たりを確保し、実への栄養を集中させることで、健康でおいしいピーマンを育てるための重要な工程です。
特に一番花の下のわき芽の除去は見逃しがちですが、これを早めに処理できるかどうかで株の形や収量が大きく変わってきます。
5月は芽かきのスタートにもってこいの季節。こまめに観察して、株の状態を見ながら丁寧に手入れしていきましょう。
コメント