ナスを育てていると、最初に花が咲いたタイミングで「この花はそのまま実にしていいのか?それとも摘み取るべきか?」と迷う方は多いと思います。
特に家庭菜園で初めてナスを育てる場合、この「一番花の扱い方」や「脇芽かきの時期」を知らないと、初期生育が鈍ったり、株が十分に育たなかったりと後々の収穫に大きく影響します。
この記事では、5月に行うべきナスの摘花と脇芽かきの適切なタイミングと目的について、実体験を交えて解説します。
なぜナスの一番花を摘花するのか
ナスの一番花は、株の主枝の8~9節目、遅くとも11節目くらいに現れることが多いです。
この一番花をそのまま結実させてしまうと、株全体の生育がストップしてしまうリスクがあります。
というのも、ナスの果実は非常に多くの栄養を必要とするため、まだ根が十分に張っていない状態で結実に入ると、株が疲弊してしまいます。その結果、後に続く果実の着果や樹の充実に影響が出てしまうのです。
一番花を摘み取ることで、株の栄養を根や葉の発育に集中させることができるため、結果的にその後の実付きや果実の質が向上することにつながります。
一番花の摘花タイミングと見極め方
摘花のタイミングは、「花が咲いた時点」で行います。つぼみのうちに摘んでしまうと、株が花の生育段階に入っていたかどうか判断しづらいため、花が開いたことを確認してから摘み取るのがベストです。
また、株の勢いが弱い場合や、全体的に葉の展開が鈍いように見えるときは、摘花によって生育の促進を図ることができます。
逆に、株に勢いがあり、葉もよく展開していて元気な場合は、あえて一番果を残して実らせることで、樹の暴れを抑える効果を期待することもできます。これは肥料過多で草勢が強すぎるときに有効な対処法です。
脇芽かきのタイミングと実施の注意点
脇芽かきは、一番花が咲く前後を目安に行うのが理想的です。特に重要なのが、一番花直下に出る脇芽で、これは放置すると非常に勢いよく伸びてしまい、主枝とのバランスを崩してしまうことがあります。
ただし、ナスの定植直後には脇芽かきを控えたほうが良いです。理由は、根がまだ十分に活着していない状態で芽かきを行うと、株の負担が大きくなるためです。
一般的には、定植から15~25日後が脇芽かきの適期とされており、この時期ならば株も安定して根を張り始めているので、脇芽を摘んでも生育に悪影響を与えにくくなります。
苗が小さかったり、初期の成長が遅れている場合には、光合成を促すために脇芽をあえて残しておく方法もあります。一番花が咲いた頃を目安に、全体のバランスを見て判断しましょう。
一番果の収穫後にやること|葉の整理で通気と光合成を助ける
一番果が収穫できたら、その下にある葉はすべて取り除いておくのが理想的です。
この作業には2つの目的があります。ひとつは、通気性を確保して病害虫の発生を防ぐこと。
もうひとつは、上部の葉に十分な光が当たるようにすることです。
ただし、葉の枚数がまだ少なく、株全体での光合成能力が足りていないと感じた場合には、無理に摘み取らず、もう少し様子を見る判断も必要です。上の葉がしっかり展開してきてから取り除くのが安全です。
まとめ|摘花と脇芽かきで元気な株を育てよう
ナスの一番花の摘花や脇芽かきは、株の将来的な成長に大きく関わる大切な作業です。
5月は定植から少し時間が経ち、株がようやく落ち着いてくるタイミング。
だからこそ、最初の剪定作業を適切な時期に行うことが、その後の栽培の成否を左右します。
一番花は、株が未成熟なら摘み取り、肥料過多ならあえて残す。脇芽は一番花の前後で整理し、収穫後は株元をすっきりさせて風通しと光合成を促す。
このような意識を持つことで、健康的なナスの樹が育ち、長期間にわたって収穫を楽しむことができます。
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