秋に植えたにんにくがぐんぐん育ち、春を迎えるといよいよ収穫期が近づいてきます。ところが、いざ掘ろうとすると「もう少し待つべき?」「まだ玉が小さいかも」と迷うことはありませんか?
にんにくの収穫タイミングは、球の肥大と保存性の両立を目指すのがポイントです。早すぎると玉が未熟、遅すぎると「割れ」や病気のリスクが上がります。
今回は、にんにく栽培を実践中の視点から、収穫適期の見極め方と、失敗しないコツを紹介します。
※写真掲載アドバイス:葉が枯れ始めたにんにく畝の様子、試し掘りの1株、収穫後の球のアップ
見逃すな!にんにく収穫の3大サイン
にんにくの収穫適期を判断するには、株の状態を観察することが大切です。以下の「3つのサイン」をセットで見ると、失敗しにくくなります。
① 葉が3分の1〜半分ほど枯れてきた
にんにくの葉が黄色く変色し、下の方から枯れ始めるのが収穫のサイン。全体の葉のうち、3割〜5割が自然に枯れてきたら適期に近いと判断できます。
- 枯れが進みすぎると、球が割れる「裂球(れっきゅう)」の原因に
- 逆に青々としすぎていると、球が未熟なことも
※写真掲載アドバイス:黄変した葉と、青い葉が混在する収穫前の状態
② 茎の太さと色が変わってきた
株の中央に伸びる茎(花茎や葉柄部分)が、やや細くなり、茶色っぽく乾き始めたら収穫間近。茎がずっと太くてみずみずしいままだと、まだ生育中の可能性があります。
③ 試し掘りしてみる(重要!)
最終判断は「実際に掘ってみる」のが一番確実です。1〜2株を掘ってみて、次のような状態なら収穫OK:
- 鱗片(粒)の分かれがしっかりしている
- 玉の外皮が乾きかけている
- 持ち上げたときにずっしり重みがある
※写真掲載アドバイス:試し掘りしたにんにくの球のクローズアップ、未熟と適期の比較
収穫後すぐの注意点:干し方で味と保存性が決まる!
収穫したにんにくは、泥を軽く払ってから茎ごと吊るして乾燥させるのが基本です。
- 風通しのよい日陰で、2〜3週間干す
- 直射日光は避ける(風味が飛びやすい)
- 網やひもでまとめて吊るすと管理しやすい
この乾燥期間中に、にんにくの風味が熟成され、長期保存もしやすくなります。
※写真掲載アドバイス:軒下で吊るされたにんにく束、風通しのよい干し場の様子
よくある収穫ミスとその対処法
ミス | 原因と対応策 |
---|---|
掘るのが早すぎた | 玉が小さい/皮が薄い。残りの株はもう1週間待ってから掘る |
放置しすぎた | 玉が割れて裂球、保存性が落ちる。なるべく早めに掘って干す |
葉が青いうちに掘った | 青臭く水分が多い。再び干して乾燥させれば食用にはなる |
にんにくは、見た目ではわかりにくい微妙な変化で適期を迎えます。迷ったら「試し掘り」を繰り返し、状態を見ながら段階的に掘るのがベストです。
まとめ:収穫は焦らず、でも引き延ばさず
にんにくの収穫タイミングは、慣れるまで難しく感じるかもしれませんが、「葉の枯れ具合」「茎の状態」「試し掘り」の3つを見れば、だんだんと感覚がつかめてきます。
にんにくは掘ったあとが勝負。しっかり乾かして保存できれば、翌年の種にも使える大切な資源になります。じっくり観察して、収穫の一瞬を逃さず楽しみましょう。
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