草生畝を活かす!極早生玉ねぎとそら豆の混植栽培法|草マルチ+有機肥料で成功率アップ

畑の限られたスペースを有効活用しつつ、無理なく持続可能な栽培を目指す方におすすめなのが「草生畝を活かした混植栽培」です。この記事では、前作かぼちゃの草生畝を利用して、極早生玉ねぎとそら豆を混植する方法を詳しく解説します。

草をそのまま活かす「草マルチ」や、有機肥料の活用によって、畑の地力を維持しながら効率よく野菜を育てるテクニックを紹介します。


前作かぼちゃの草生畝、そのまま使える?

今回の作付け予定地は、かぼちゃを草生栽培(雑草を伸ばしたまま)で育てた畝です。10月初旬にはかぼちゃの収穫が終わるため、ちょうど次の作付け準備に取り掛かる良いタイミングです。

この畝には、自然に生えた雑草が繁茂しており、地力や微生物環境が温存されているのが特徴です。この草生環境を壊さず活用するため、完全な不耕起ではなく、必要最低限の耕起を加える手法を取ります。


草刈り+有機肥料+苦土石灰で「草マルチ畝」を作る

作業の流れ

10月初旬のタイミングで、以下の作業を行います。

  1. 草を地上部で刈り取り、畝にそのまま敷く(草マルチ化)
  2. バッドグアノ、油かす、米ぬかなどの有機肥料を全体に散布
  3. 同時に苦土石灰をまいてpH調整
  4. 畝の表面を軽く耕し、肥料と石灰をなじませる
  5. 刈った草を戻し、マルチ代わりに敷いておく

使用する肥料の狙い

  • 米ぬか:土中の微生物を活性化し、有機物の分解を助ける
  • 油かす:緩やかに効く窒素・カリ源、玉ねぎに好相性
  • バッドグアノ:リン酸を供給し、そら豆の根張り・玉ねぎの玉肥大を促進
  • 苦土石灰:pH調整と苦土供給で、根の活着・光合成を支援

ポイント:発酵熱への配慮

米ぬかや油かすを使うと、分解時にガスや熱が発生することがあります。植え付け直後にこれがあると根を痛める原因に。
そのため、定植までは3週間程度の間隔をしっかり取りましょう。


極早生玉ねぎとそら豆の混植レイアウト

この畝では、中央にそら豆、両側に極早生玉ねぎを定植するレイアウトをとります。

この配置が効果的な理由

  • そら豆は根粒菌によって空気中の窒素を固定し、間接的に玉ねぎの栄養源になる
  • そら豆は玉ねぎよりやや遅れて成長するため、初期の生育競合が起きにくい
  • 両者は病害虫や土壌病のかぶりが少なく、混植によるトラブルも少ない

定植時期と注意点

  • 玉ねぎ(極早生):10月中旬〜下旬に定植
  • そら豆:同じく10月中旬〜下旬に植え付け可(地域により調整)

定植時には、苗の周囲だけ軽く掘って柔らかくし、根張りしやすい状態に整えておくと効果的です。


この方法が家庭菜園に向く理由

この「草マルチ活用型混植法」は、以下のような点で家庭菜園に特に向いています。

  • 雑草を敵とせず、資源として利用する発想がある
  • 完全な不耕起ではなく、失敗を減らす妥協的アプローチ
  • 有機肥料と石灰を活かして、畑の土づくりを継続できる
  • 玉ねぎとそら豆という相性の良い作物を並行して育てられる

また、前作のかぼちゃによって畝がしっかりと育っているため、耕起の必要が最小限で済むのも利点です。


まとめ|草を活かして、肥料を活かす。無理なく続けられる畝づくり

借地などの限られた環境であっても、しっかりと考えられた畝づくりをすれば、無理なく野菜を育てることができます。

今回紹介した「草刈り+有機肥料+苦土石灰+軽耕起+草マルチ」という方法は、草生栽培と有機的な土づくりを両立させた実践的なスタイルです。

成功のポイントは、しっかりと定植までの間隔(約3週間)をとること
草や肥料を「敵」ではなく「味方」にする視点で、自然と調和した畑づくりを進めていきましょう。

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