![ゴーヤの苗と敷き草の写真をここに掲載。若干黄化した葉と周囲の雑草を写すとよい。]
家庭菜園で夏野菜として人気のゴーヤ(ニガウリ)。つる性で日よけにもなり、栄養価も高いため、初心者にもおすすめの作物です。
ところが、定植から2週間ほど経っても苗の様子が芳しくないという声も多く聞かれます。今回は「定植から15日後、葉が薄く元気がない」状態に陥った場合のケア方法について、自然な視点を交えながら解説します。
苗が元気がない理由:主な原因は「初期の窒素不足」と「乾燥」
ゴーヤを無施肥で育てようとした場合、最も起きやすいトラブルが“初期の栄養不足”です。
特に、カラスノエンドウのようなマメ科の植物が茂っていた畝では、有機物の分解時に一時的に窒素が奪われる「窒素飢餓」が起きやすくなります。さらに、茂った草を刈ってすぐに植えると、土の表面が乾きやすくなり、根の活着も進みません。
この2つが重なると、葉が黄緑色になり、新芽の成長が止まりがちになります。
対処法その1:少量の液肥でスタートを後押し
無施肥が理想であっても、定植初期の“つなぎ”として少量の液肥を与えることは非常に効果的です。
- 米ぬかや油かすを発酵させたぼかし液
- 魚のエキス(魚醤系)
- 草木灰を薄めた水
などを1000倍程度に薄め、根元にコップ1杯ほど与えます。これにより、根の活着が早まり、葉の色も徐々に改善していきます。
※市販の有機液肥(窒素1%程度)を使っても問題ありません。
対処法その2:敷き草による保湿と微生物活性
乾燥対策には「敷き草」がもっとも自然で効果的です。定植前に繁茂していたカラスノエンドウをそのまま畝に敷くのが最も手軽です。
敷き草の効果:
- 表土の乾燥防止
- 土温の安定
- 地表の微生物の活性化
- ゆっくり分解されて養分になる
雑草も立派な資源。周囲のスギナ、オオバコ、ホトケノザなどを刈って加えるのもおすすめです。厚さ3〜5cmを目安に敷き、株元には少し空間をあけておきましょう。
対処法その3:1〜2週間後の変化を観察する
液肥と敷き草の処理をしたら、あとは自然に任せながら観察します。
チェックポイント:
- 葉の色が濃くなってきたか
- 茎が上に伸び始めたか
これらの変化が見られれば、順調に回復しています。反応が乏しければ、根の活着が不十分な可能性があるので、根元を軽く掘って確認するのも一案です。
まとめ:自然の力を活かしつつ、初期だけは少し手を貸す
自然農的な発想では「最初だけ手を貸して、あとは任せる」が基本です。ゴーヤのような旺盛な作物であっても、スタートダッシュが決まらなければその後の成長が鈍ります。
無施肥栽培でも、敷き草や発酵液肥など、自然に寄り添った方法で苗の立ち上がりを支えてあげましょう。
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